元気な髪の毛を生やし、健康的な頭皮の状態を維持するには、毎日のシャンプー・トリートメント選びも大切になってきます。
世の中には数えきれないくらいのシャンプーとトリートメントの種類があるので、何を基準に選べばよいのか迷われるかも知れませんが、答えは簡単です。
それはズバリ、含まれている「界面活性剤」の種類です。
シャンプーとトリートメントにも界面活性剤は使われていますので、間違った選択をしてしまうと、育毛どころか使えば使うほど髪と頭皮を傷めてしまいます。
では一体、界面活性剤とはどのようなものなのでしょうか?
まず初めに、界面とは「固体と液体」「液体と液体」「気体と固体」などの境界面のことをいいます。
ガラステーブルの上に水を垂らした時に表面張力で水が丸みをおびますが、それは「個体のガラス」と「液体の水」との間に界面が存在するからです。
また、牛乳にも「液体の水分」と「個体の脂質」との間に界面が存在しており、それを界面活性剤の役割を担うタンパク質が乳化して分離しないようにしています。
このように、界面活性剤とは読んで字の如く境界面を活性化するよう剤で、個体・液体・気体が混ざり合うようにする役割があります。
界面活性剤は日常の中に溢れており、例えば
など幅広く使われています。
界面活性剤は大きく、アニオン(陰イオン)・カチオン(陽イオン)・ノニオン(非イオン)・両性(プラスとマイナス)の4つに分類され、シャンプーに入っているのはアニオン界面活性剤になります。
アニオン界面活性剤の中でも、カルボン酸系とタウリン系は髪と頭皮にやさしい界面活性剤です。
一方、硫酸系・スルホン酸系・アミノ酸系は頭皮にも髪にも悪い界面活性剤です。
シャンプーに入っている代表的な界面活性剤は以下の通りです。
アニオン界面活性剤 | 成分表示名 | |
カルボン酸系 | 高級脂肪酸 |
脂肪酸ナトリウム(石鹸) |
酢酸系 |
ラウレス-3酢酸ナトリウム ラウレス-3酢酸アミノ酸 |
|
タウリン系 |
アシチルメタルタウリンナトリウム |
|
硫酸系 スルホン酸系 |
ラウリル硫酸ナトリウム ラウレス硫酸ナトリウム オレフィン(C12-16)スルホン酸ナトリウム |
|
アミノ酸系
|
グルタミン酸系 |
ラウロイルグルタミン酸ナトリウム |
アラニン系 |
ラウロイルメチルアラニンナトリウム | |
グリシン系 |
ココイルグリシンナトリウム | |
サルコシン系 |
ラウロイルサルコシンナトリウム |
シャンプーには頭皮からで出た余分な油分を洗い流すため、洗浄効果の高い合成の界面活性剤(以下、洗浄成分という)が入っています。
一般的には「硫酸系の洗浄成分」と「アミノ酸系の洗浄成分」の2種類が使われており、硫酸系の洗浄成分が入ったシャンプーは硫酸系シャンプー、アミノ酸系の洗浄成分が入ったシャンプーはアミノ酸系シャンプーと呼ばれています。
硫酸系(スルホン酸系も含む)のシャンプーに入っている代表的な洗浄成分は上記の表の緑色の箇所です。
硫酸系シャンプーは大量生産できるということもあり、比較的安価なシャンプーが多いです。
硫酸系の洗浄成分は泡立ちがよく洗浄力も強いため、シャンプーには必ずと言っていいほど入っていますが、刺激が非常に強く、頭皮や髪へ深刻なダメージを与えます。
ラウリル硫酸ナトリウムに代表される硫酸系の洗浄成分は、水に濡れて柔らかくなったタンパク質の結合に入り込み、タンパク質同士をつないでいる“シスチン”結合を崩し、タンパク変性を起こします。
タンパク変性が進行するとタンパク質が切れてしまい、キューティクルがめくれて髪の毛内部の油分が外に流れ出し、洗えば洗うほどパサパサしたコシのない髪の毛になります。
やがて、髪の毛も抜け落ちてしまいます。
硫酸系シャンプーを使っているけれど、髪の毛は艶がありサラサラしているといった人もおられると思います。
それは、シャンプーにや人工添加物などの保湿成分や潤い成分が配合されており、洗浄剤で傷んだ髪の毛に上から潤いを与えるといった、うわべだけの装いがされているからです。
いくら上から潤いを与えたり保湿をしたとしても、髪の毛そのものが傷んでいては元も子もありません。
ですので、育毛を考えている場合は、硫酸系シャンプ―の使用は絶対に避けてください。
さらに恐ろしいことに、シャンプーに入っている硫酸系の洗浄成は食器用洗剤に入っているものと同じですので、硫酸系シャンプーで髪を洗う=食器用洗剤で髪を洗っているのと同じことになります。
食器用洗剤と同じように洗浄力は抜群ですが、皮脂を根こそぎ取り除かれるため頭皮は乾燥しがちになります。
頭皮が乾燥すると、それを防ごうとして毛穴から皮脂が分泌されます。
乾燥がひどい場合は皮脂が過剰に分泌され、頭皮がベタついてしまいます。
「頭皮の脂がでやすい=脂性」と思われがちですが、実は「頭皮の脂がでやすい=乾燥肌」という場合も多いのです。
脂性だと勘違いして脂性肌用のシャンプーを使ってしまうと、きつい洗浄剤によって皮脂がごっそり取り除かれ、再び皮脂が過剰に分泌されるといった悪循環に陥ってしまいます。
普段から頭皮にやさしいシャンプーを使い、適度な皮脂の量で頭皮が保護されている状態をキープすることが大切です。
アミノ酸系シャンプーに入っている代表的な洗浄成分は上記の表の青色の箇所ですが、他にも
などがあります。
これらを使ったシャンプーは比較的高価で、美容室などによく置いてあります。
アミノ酸系シャンプーは髪やお肌にやさしいというイメージがありますが、決してそんなことはありません!
アミノ酸系シャンプーは髪にも頭皮にも刺激が強く、硫酸系シャンプー同様、髪の成分の大半を占めるタンパク質を変性させてしまいます。
更には、人体の構成成分と同じアミノ酸ということから頭皮に吸着しやすく、痒みの原因にも繋がります。
アミノ酸系のシャンプーは泡立ちが悪いものなのですが、普段使っているアミノ酸系シャンプーは泡立ちがよいという場合は、高確率で硫酸系の洗浄成分が混ざっていますので、一度シャンプーボトルに記載されている成分表を確認されることをお勧めいたします。
硫酸系シャンプーやアミノ酸系シャンプーの洗浄成分は刺激が非常に強く、また、シャンプー全体の70%~90%を洗浄成分が占めるので、私たちの体にさまざまな悪影響をもたらすことが分かっています。
肌バリアや細胞を破壊するため、紫外線や整髪料、薬剤などの物理的ダメージをダイレクトに受けてしまい、アレルギーを引き起こしやすくなります。
タンパク変性を起こすので、毛がパサついたり潤いがなくなるほか、カラーやパーマも入りにくくなります。
酢酸(さくさん)系シャンプー(お酢系シャンプー)とは、酢酸系の洗浄成分(CH₃COOH)が使われているシャンプーのことですが、あまり聞き慣れない言葉かも知れません。
実は私も2021年まで聞いたことがありませんでした。
というのも、これまでは硫酸系シャンプーとアミノ酸系シャンプーの2種類しかなく、この酢酸系シャンプーは、世にほとんど出ていなかったからです。
ですので、私たちは硫酸系とアミノ酸系の2種類から選ぶしかなく、響きがよく美容師も勧めることが多いアミノ酸系を選ぶことが多かったと思います。
酢酸系シャンプーに入っている代表的な洗浄成分として
などがあります。
「ラウレスー3酢酸」は近畿大学との合同研究で特許を取得している成分で、それにアミノ酸を合わせた「ラウレスー3酢酸アミノ酸」は、低刺激性液体洗浄組成物として2012年に特許を取得しています。
この業界では世界初であり、正真正銘、髪・頭皮・肌にやさしい洗浄成分といえます。
この酢酸系の洗浄成分は泡立ちも非常によく、硬水でも使用できる優れものです。
上の表は、私たちが普段使っているシャンプーに含まれている界面活性剤を5%の濃度にし、そこに人工の表皮細胞を30分間浸した時の細胞への毒性率をグラフ化したものです。
このように、多くの方が使っているアミノ酸系シャンプーの洗浄成分は頭皮へのダメージが一番大きく、硫酸系洗浄成分は髪の毛へのダメージが一番大きいことが科学的に証明されています。
その一方で、酢酸系の洗浄成分は髪にも頭皮にもやさしいことが分かります。
下の図は、硫酸系・アミノ酸系・酢酸系の洗浄成分の毒性を細胞単位でみたものです。
それぞれのシャンプーに含まれている界面活性剤を1%・3%・5%の濃度に薄め、そこに人工の表皮細胞を60分間浸した時の細胞の生存率を表していますが、青色は細胞が生きており、色が抜けていくにつれて細胞が死滅していることを示しています。
酢酸系の洗浄成分では3%濃度で9割以上、5%濃度でも8割以上の細胞が生きていますが、
硫酸系の洗浄成分では、3%~5%濃度で約半分の皮膚細胞が死んでしまい、アミノ酸系の洗浄成分では、3%濃度で約半分、5%濃度では8割以上もの皮膚細胞が死んでしまっています。
つまり、多くの方が使用しているアミノ酸系のシャンプーは、使えば使うほど頭皮の細胞が死にやすくなるということです。
私たちが普段使っているシャンプーには、この洗浄成分が70%~90%も入っているので、特に育毛をお考えの方にとれば、この実験結果は無視できません。
アミノ酸系洗浄成分と硫酸系洗浄成分の危険性と、酢酸系洗浄成分の安全性を証明した論文は、2016年にアメリカ油化学会の学術誌「Journal of Surfactants and Detergents¹」に掲載されています。
※1 100年以上の歴史を持つ権威ある専門学術誌で、世界90か国もの地域で界面活性剤や化粧品の研究者などが購読している。
〈参考文献〉亀田 宗一“シャンプーで肌は変わる”
私事ですが、皮膚が刺激に弱く頻繁に手荒れを起こすことが多く、食器用洗剤やハンドソープは当然のことながら、アミノ酸系シャンプーも手にしみて痛かったため、ゴム手袋をしてお風呂に入っていました。
ですが、酢酸系シャンプーを始めて使った時、手荒れや傷があっても全くしみることがなかったので、とても感動したのを覚えています。
それ以降は手袋をすることなくお風呂に入ることができているので、このシャンプーに出会えて本当によかったと心の底から思っています。
シャンプーで肌がしみることはなくても、硫酸系・アミノ酸系シャンプーはアレルギーを引き起こす危険性があり、わずかな時間シャンプーをつけているだけで、頭皮の細胞が死んでいくということを念頭に置いてシャンプー選びをいてだけたらと思います。
界面活性剤は、シャンプーはだけではなく、トリートメントにも必ず入っています。
トリートメントに入っている界面活性剤は「カチオン界面活性剤」で、保湿成分や保護成分を髪の毛に浸透しやすくするために界面をなくしたり、髪の毛に柔軟性を持たせたりする働きがあります。
また、イオン系の界面活性剤なので静電気を防いだりする役割もあります。
カチオン界面活性剤には強い殺菌作用があり、毒性も強いため危険な物質とされていますが、実は多くの物に使われています。
成分表のところに
など、「クロリド」「ブロミド」「アンモニウム」と表示されているものがカチオン界面活性剤です。
使われているものとしては
などがあります。
※ファブリーズには「有機系」と表示されていますが、実はアンモニウムが含まれているのでカチオン界面活性剤です。
柔軟剤で皮膚がかぶれたり、アレルギーを発症したり、除菌スプレーで皮膚がかぶれたりするのは、このカチオン界面活性剤の毒性によるものです。
こんな毒性の強いものが普段使っているトリートメントにも入っているのですから、聞くだけで恐ろしいですよね。
トリートメントは毛先にだけつけて頭皮につけてはいけないとされています。
その理由は2つあります。
【1つ目の理由】は
トリートメントが頭皮につくと、カチオン界面活性剤のもつ強い毒性により頭皮に痛みがでたり、かゆみが出たりと様々なトラブルの原因になるからです。
また、強力な殺菌作用により目に見えないレベルで頭皮の細胞が死んでいくため、頭皮につけてはいけないとされているのです。
カチオンはプラスの電気を帯びており、水に濡れてマイナスの電気を帯びている皮膚につくと強く結びついてしまい、簡単には洗い流せないため上記のようなことが起こります。
【2つ目の理由】は
トリートメントに含まれる『シリコーン』が頭皮の毛穴に入ると、なかなか落としきれず詰まってしまうからです。
シリコーンは油分なので、キューティクルを整えたり、髪の毛を保湿したり艶を出したりと、トリートメントにはなくてはならないものなので必ず入っているのですが、落としきれなかった古いシリコーンが毛穴に詰まったままになると、そこに炎症が起き吹き出物ができてしまいます。
髪の長い女性の場合は、毛先につけていても必然的に背中にもシリコーンが付いてしまうので、十分に洗い流せないと背中の毛穴に詰まり、いわゆる「背中ニキビ」ができてしまいます。
トリートメントの危険性を述べてきましたが、これまでのトリートメントの常識を覆すトリートメントが誕生しました!
それは、当サロンでも取り扱っている「酢酸系の界面活性剤を使用したトリートメント」です。
これは髪の毛だけではなく、頭皮にもつけてよいトリートメントです。
つけてもよいどころか、すり込むことによってかなりの効果を発揮します。
なぜ頭皮につけても構わないのかというと、カチオン界面活性剤の刺激をプラスとマイナスの性質をもつ「両性界面活性剤」によって中和することにより、頭皮(肌)への刺激を大幅に緩和することに成功したトリートメントだからです。
トリートメンを頭皮につけることにより、トリートメントに含まれる保湿成分などの有効成分を髪の根元からしっかりと浸透させられるのに加え、頭皮の乾燥を防ぎフケ防止にも繋がります。
頭皮が乾燥しすぎると毛穴から皮脂がでて頭皮がベタつき、産毛が生えにくくなったり、毛穴に残った皮脂が酸化したりと頭皮環境が悪化するのですが、毎日のトリートメントで頭皮の乾燥をある程度防ぐことができると、頭皮の乾燥で悩まされる人はかなり減るのではないでしょうか。
このトリートメントは低刺激にも関わらず高い洗浄力も持ち合わせているので、前日の入浴の際に髪や頭皮に残ったシリコーンを洗い落とせるという優れもので、世界で唯一の頭皮を傷めないトリートメントです。
🔳 これまでは自分自身がシャンプーを素手で使えなかったこともあり、自信をもってお客様にお勧めできるシャンプー・トリートメントがなかったため、店頭に置くことは一度もありませんでした。
ですが、『Badens (バーデンス)』という酢酸系シャンプー・トリートメントに出会い、自分自身、髪と頭皮そして手荒れの状態が日に日に良いほうへ変化していくのを実感したこともあり、育毛をお考えのお客様にもできるだけ髪と頭皮にやさしく、そして効果も抜群なシャンプー・トリートメントを使っていただきたいという想いから、開業以来初めて、当サロンにてシャンプーとトリートメントの取り扱いを始めました。
バーデンスはそれほど自信をもってお勧めできるシャンプー・トリートメントです。 |
🔳 当サロンがバーデンスを選んだ理由
|
24時間パッチテストの実験
皮膚刺激数 | ||
5.0以下 | 安全品 | ←バーデンス・トリートメントは2.5(化粧品よりも安全) |
5.0~15.0 | 許容品 | ←バーデンス・シャンプーは7.5 |
15.0~30.0 | 要改良品 | |
30.0以上 | 危険品 | ←硫酸系・アミノ酸系は200~400で非常に危険! |
この実験結果をみると、私がアミノ酸系のシャンプーを使っていたころ、手袋をせずにシャンプーができなかった理由がよく分かりました。
毎日、何回もシャンプーをする美容師さんが手荒れをする理由も納得です。
シャンプーとトリートメントに関するよくある質問をまとめてありますので、こちらも合わせてご覧ください。
当院ではバーデンスのシャンプー・トリートメントを全種類取り揃えております。
その他、アトピーの方や赤ちゃんでも安心して使えるボディシャンプー、お肌に一切負担をかけない金属アレルギーの方でも使える化粧品等も取り扱っておりますので、お気軽にご相談ください。